DQ"i"外伝 〜輝かしき闇


「ハーゴン様ッ!」
 神官達の祈りを中断せしめたのは鳴り止まぬ雷鳴でも、荒れ狂う風の咆吼でも無かった。彼等が尊崇して止まぬ大神官の発作と、何時になく多量に零れ落ちる紅い血であった。
「…大丈…夫……ごほ、げほ、ぐ、は、は、は、はあっ、はあっ……」
「何が大丈夫なものですか。直ぐに!」
 神官達は祈りを中断し、か細い肉体を抱え上げて素早く、手際良く手当を施した。此処数ヶ月こんな状態が続いている。病状は悪化するばかりである。抱き抱える度に体が軽くなるのに、皆気付いていない振りをする。
 寝台に寝かされ、かそけき呼音が外の風に吸い込まれて行く。シーツは汚れるたび取り替えられ、血が溢れ出す度入れ替わり立ち替わり神官達の手が伸びては血に汚れた口元を拭った。
「す、……済まない……な……」
「何を仰いますか」
 強張った笑みを浮かべようと苦心する窶れた頬に、神官達は濡れた手拭いを宛った。固まってこびり付いた血を剥がし、濯いで絞っては額に乗せる。
 吐息の乱れが収まって、漸く浅い眠りに入ったのを見届け、一同は汗を拭った。
「……もう少し、見守るべきでは……」
 誰もがその場を離れ難かった。肌は尚のこと蒼白さを増しており、もしも目を離した隙にでも再び血を吐いたら、と思うと、居ても立ってもいられなかった。誰か一人が残れば良い話ではあるのに、皆、見届けていたかった。
 主が、青い瞼を押し上げ黄金の瞳を覗かせた。乾いた唇が、微かに開く。
「御加減は、如何ですか」
「……済まない……」
「何を仰有いますか」寝台の傍らで、血の染み込んだ手拭いを絞る。絞った手拭いは、直ぐ他の神官達の手に渡って、また血を拭うのに使われる。一通り病状が落ち着いたので、その手拭いは神官達の手の内に未だ、無垢な侭収まっている。
「今ここに、皆は揃っておるか?」
 神官達は互いに視線を交わし合う。が、直ぐに視線を在るべき処へ戻し、次の言葉を待った。
「心して聞くが良い。新たなる神託を受けた故、皆に伝える。
 勇者達が……聖地の土を踏む姿を、私は見た。
 大地の精霊の力を借り、まやかしが破られる様を見た。
 勇者達は必ず、この死者の塔を登り詰めるであろう。その時が来れば、私は勇者達と相対さねばならぬ。それまでに、破壊神召喚の儀式を直ちに執り行わねばならぬ。―――これは、決定事項だ」
 神官達はざわめいた。主の宣言は、預言の内容は、主の死に直結する。彼等は認めたくなかったのだ。配下達の様子から事情を察して、大神官は身を起こした。命ぜずとも察して、神官達は直ぐに静まる。
「……遠からず、何れ、私は、死ぬ」
 自らに言い聞かせるように。
「この病の身だ。例え、勇者達に倒されずとも、何れはこの命朽ち果てるであろう。早いか遅いかの違いに過ぎぬ。―――それに、例え勇者とて、神は倒せまい。だから」
 倦まず、弛まず。
 そして、自らの運命の全てを、受け止めて。
 勇者達が、人々が知らずとも、その場の皆が知っていた。死を怖れず、死ぬ際にさえも、這い蹲ってでも前に進むを止めぬ人なのだと。
 だからこそ、皆の心を打ち、揺り動かす。
 大神官ハーゴンとは、そういう人であった。
 ハーゴンは笑った。目を覆うばかりに痛々しい筈なのに、強く、心を打つ笑みだった。
「そなた達に、全てを託そう。私の見るは叶わぬ、未来の。頼んだぞ、皆。………もう、下がって良い」


 神官達の退出した室内は、打って変わった静けさに満ちていた。否、静かだったとは言い難い。外では鳴り止まぬ雷鳴と嵐と稲光。風がひっきりなしに扉をかたかた打ち鳴らし、中へと忍び込んでカーテンを揺らすので、様子見に一人だけその場に残って寝床を整えている姿が、白い壁に歪な影を描いては消える。神官は寝台の燭台に火を灯し、ひとまずは影を追いやった。
「聖下」神官は決して名前で主を呼ばなかった。「具合は相当悪いのではありますまいか。薬湯を……お持ちしましょうか?」
「否、良い」ハーゴンは軽く手を振った。「それから、今はもう誰もいない。名前で呼んでくれれば良い。……他人行儀は止して欲しい」
「では、仰せの侭に」
 悪魔神官は相変わらず恭しい仕草を崩さなかったが、顔を覆う 一つ目 モノアイ の仮面を外し、フードを取り払った。中からは主と同じ種族――肌蒼く金の瞳持つ、竜人と呼ばれる旧き種――の顔が現われる。神官は仮面を傍らに置くと、椅子を引いて腰掛けた。視線の他に交わされる言葉も無く、熱を持つ蜜蝋がじりじりと、嵐の止む間だけ束の間の明るさを取り戻す。
 蝋燭の一つが、隙間風に負けて、灯火を消した。
 不意に、骨張った細い手が伸びて、火を付け直そうとした神官の腕を掴んだ。
「ヴァーノン」
「何でしょう」名を呼ばれ、神官は再び椅子に腰掛け、腕を握り返した。「どうなさいました」
「……ここからは、指導者としてではなく、貴男の弟弟子として聞いてくれぬか」
 ヴァーノンと呼ばれた神官は僅かに訝しんだが、それでも僅かの時を置いて小さく首肯した。主が、衆生を導く一大宗教の教主としての貌を捨て、敢えて一人の個として、否、己を、人生の先達として、幼少のみぎりより互いを知る、親しき者として己を求め胸襟を開く。思い返せば、二人の間でそんな時を持つ時間は、ムーンブルク急襲の後を境にぱったりと途絶えていた。周りの状況も、己もそれを許さなかったからなのだが。
 今、この時を除いてより他に、『今後』は訪れまい。
 今日、この日この時までをずっと、私情を挟まず、弱音一つ漏らさずに主は、耐えて来たのだから。

 思えば、生まれた時から人とは違っていた。
 額の赤い石――故郷では 星紅玉 スタールビー などと呼んでいたか――数百年、否、数千年に一度産まれるか否かと伝えられる徴に、集落の皆が赤子の誕生を祝福した。古来より、民を導く聖者の徴とされてきたからだ。
 とはいえ、親はそんな我が子を決して甘やかしはしなかった。寧ろ、傍目にも厳し過ぎる程に厳しく、己を律する様教え込んでいた。智を奢らず、他者を尊敬し見下してはならぬ、と。己は皆の働きに依って生かされているのだ、と。天性の資質と親の躾と、本人の弛まぬ努力との賜で、ハーゴンは学問に於いてめきめきと頭角を現わすようになった。
 兄弟子と呼ばれてはいるが、ヴァーノンが学問で優位を示していたのはほんの数ヶ月だった。あっと言う間に追い抜かされ、教えを乞う事も度々であったのに、ハーゴンはヴァーノンを兄弟子と慕い、立てるを決して忘れなかった。ヴァーノンは時にむず痒さを憶える事もあったが、この真面目で、ひたむきで真摯な、そして心優しい弟弟子を尊敬し、同時に可愛がってもいた。
 嫉妬を憶えないでもなかった。しかし、学問人格では敵わずとも、肉体に於いては優位を保てていた事――ハーゴンは生まれながらに酷く病弱であった――が二人の関係を良く保っていた。
 だが、今となっては憐れみすらも感じ得ない。寧ろ、かの如き厳しき試練をこの華奢な肉体に課す神々の意図を測りかね、時には呪詛の念をも覚える。信仰を試しているのか? 否、これ以上信仰を試さずとも、この世に彼ほどの信仰を示した者は何処にもいまいに。
 だのに、何故。
 不遜な思考を弄びつつ、ヴァーノンは傍らでずっと、切り出されるのを待っていた。だが、肝腎のハーゴンはなかなか溜め込んでいた物を口にしようとはしない。暫くぶりで、慣れていないのだろうか。
 促そうか、待とうかと思案していると、乾いた唇から、漸く途切れ途切れに呼気が漏れた。
「今から、言う事は……内密に、な」
「無論、承知」ヴァーノンは重ねた手を、握り直した。「貴男こそ他人行儀ではありませぬか?」
「ずっと、此の方より私を、一つの迷いが取り憑いて離れない。弱さから来たものだと、解ってはいる。いるのに、振り切れない。……否、覚悟を決めていた。なのに、体が弱って行けば行く程、迷いは大きくなるばかりだ。当初は詮無き事と、そう、思うていたのに」
「……死ぬのが、怖いのか」
 ハーゴンはかぶりを振った。「……死ぬのは怖くない。幼き頃より常に、死と隣り合って生きて来た身。だが……」
 ハーゴンは僅かに言い淀んだ。が、促され、軽く唇を噛んだ後に、思い切って重い口を開く。
「死ぬのは怖くない。が、両親や師は、私を許さないだろうか。私の所為で、同族である事を理由に迫害されてはいないだろうか」
 ヴァーノンは目を瞠った。闇の中、その姿の何と小さく見える事か。
 二度の稲光が去り、ヴァーノンは小さく、かぶりを振った。
「聖下。その様な世迷い言、他の者には努々聞かせてはなりません」
「……済まない。忘れてくれ……」
 ヴァーノンは弟弟子の肩に手を添えた。
「その上で、敢えて申し上げましょう。今がどうあれ、世界が滅びれば皆同じ事。必然であったのです。人一倍の重荷を背負うが故に辛い事もおありでしょう。……今は、未来を信ずるしか有りますまい」
 ヴァーノンは自らに言い聞かせるよう、寝具をかけてやる。
 未来を信ずるしかない。
 この病弱で、死を常に枕元に侍らせ、この世を憂い、全身全霊をかけて世界を救いまた滅ぼそうとしているこの青年を。
 智者であり、克己心と寛容に満ち溢れていながら、時に驚く程の冷徹さを見せるこの男を。
 従える者全てを魅了しまた畏怖させる、神に選ばれし者を。
 その人が、己の弱さに苦しんでいた。
 その痛みを、己のみにさらけ出してくれた。
 優越感と、もう一つ掴みかねる靄とした物を抱きつつ、ヴァーノンは何時までも、稲光に陰影を描く弟弟子の面差しを見守っていた。


 勇者達が神殿の結界を破ったとの報を受け、破壊神召喚の儀式は暫しの中断を余儀なくされた。報せを受けたハーゴン自身は、配下の悪魔神官達の慌てぶりとは対照的に実に落ち着き払っていたのだが。ハーゴンは法衣を翻し、入口の扉を指差した。
「もはや一刻も ゆるが せには出来ぬ。皆、地下神殿へ移動せよ。私は、残る」
 神官達は命令に直ぐには従わなかった。皆、顔を見合わせる。
「行きませぬ」
 一人の神官が、続いてもう一人が立ちはだかった。初めての、反逆。
「行かぬか!」
「出来ませぬ! 貴男独りを置いては、行けませぬ」
「聖下を守るが我等が務め。置いて行け、と仰せられまするか。それは、余りにも酷で御座います」
「駄々を捏ねるな。我等の使命を忘れたか」ハーゴンはぴしゃりと言い放った。「どう我等が足掻いても、もはや決められた事。これ以上、無駄な犠牲は出せぬ。――儀式の完成、それが最優先だ。良いな!」
「いいえ、行きませぬ」しかし悪魔神官も又、一歩も引かない。
「ハーゴン様、どうか、お願いです。我等と共に、ここは退いて下さいませ。貴男あっての我々では御座いませんか。口にこそ出しませなんだが、皆、同じ想いの筈」
 ハーゴンは仮面の内に秘せられた一同の顔を見渡した。そして、緩やかに首を振った。「ならぬ」
「良いか、そなたらに命ず。決して、私を守ろうとして無為な犠牲を出してはならぬ。そなたらは私の代りに次代を担い、新たなる世を導いて行かねばならぬ。それに未だ、儀式は完成していない。もしそなたらの内より無為な犠牲を出したなら、我等の悲願そのものさえ立ちゆかなくなるやも知れぬ。さすれば、又人々は勇者の名の下に加えられる圧制に、涙を流し続けねばならぬ。聖地をこれ以上、血で汚してはならぬ。……私の死も又、定められていたのだ。逆らった処で、結果は同じ」
 悪魔神官達は、しかし、動かなかった。
「反逆は死ぞ。――覚悟はあろうな」
「勇者達の手に掛かるも、此処で死すも同じ事。どうか、我等の我儘を、お許し下さい」
 ハーゴンは暫く二人を睨め据えていたが、やがて再び祭壇に向き直った。


 数時間後。
 死者の塔の最上階で祈りを捧げる一人の男。竜に似た、被膜を伴った耳の僅かな動きだけが、侵入者の存在を察知する。
 隙間風が、微かな血の匂いを運んで来る。
 祈りの言葉を中断し、男はゆるりと立ち上がった。侵入者を一瞥する。
 志を同じくした者達の返り血にまみれた、若者達の姿を。
 僅かに一つ瞬きを落し、亜人は身構えた。


 地下室で一心不乱に祈りを捧げる神官達。その様は、事情を知る者には祈りそのものに没頭しているというよりは寧ろ、祈りに没頭する事で何かに気を取られぬようしていると映るやも知れぬ。灯りは篝火の他には何も無く、邪神像が闇の中、不気味に輪郭を浮かび上がらせている。
 篝火が、風もないのに酷く揺れた。
 場の「気」の乱れにいち早く反応したのは、一人の神官だった。神官の体が傾ぎ、祈りを中断して額を押さえる。一人が反応し始めると、皆次々に変調を訴え出した。仮面を外し、嘔吐する者。祈りを止めないながらも、その場に蹲る者。
「……い、一体、何が……祈れば祈る程、苦しく……げほっ、ごほっ……」
「祈りを止めるな!」神官の一人が声を荒げた。「唯でさえ、二人減って……」
 神官は口を閉ざした。二人ではない、三人だ。だが、その事実を認める事は、一同の志気に関わる。否、認めれば、己を保てなくなる。
 解っていても、口にしてはならない。
 祈りの場が瘴気に満たされているのはヴァーノンも薄々感じていた。吐気が執拗に、胸を突くのを堪えながら、ヴァーノンは一同を叱咤した。この瘴気も、滅びの神の降臨の徴だと。これに耐えずして、どうして明日の世を導けよう? こんな苦しみなど、ハーゴンの耐えた重荷に比べれば真珠と石ころ程の差だ。寧ろその重荷の僅かでも引き受けられるならば、かほどの悦びがどこにあろう?
 明日を信じると、決めたのだから。
 場を共にした全ての者達が、同じ想いを共有していた。皆苦しみ、這い蹲りながら祈りを止めなかった。そうする事でだけ、唯一人世界の苦悩を背負っていた己が主の重荷を、少しでも受け止められると信じていた。床に爪を立て、片膝を付いてでも、祈らねばならぬ理由があった。
 不意に、辺りの気が晴れた。
 辺りに溢れかえり、のし掛かるあの重さが、瘴気がどこかに消え失せていた。
 一同は訝しみ、狼狽え、そして地下室を出て、あっと叫んだ。
 嵐は去り、重い雲の隙間から、眩い光線が幾条も溢れて聖地を、そして世界を照らしていた。
「そ……そんな……そんな、馬鹿な……」
 滅びの神は勇者に、倒された。
 勇者達は、神さえも足下に平伏させた。  輝かしき闇に打ちひしがれ、神官達は何時までも茫然と、その場に佇んでいるしかなかった。


「何故だ。世界は滅びるのでは無かったのか!」
 ロトの勇者3人が邪教の本拠地を殲滅したのは、ローレシア率いる討伐軍がローレシア北方に位置する邪教徒最後の砦を攻略すべく最後の襲撃をかけていた最中の出来事であった。戦いに加わった者達は敵味方問わず、厚い雲に覆われた空から幾条もの光が射し込むのを見なかった者はいなかったし、見た者なら誰しも、天より降り注ぐ光が意味する処を直ちに察した。ローレシア側は大いに志気を回復し、ここぞとばかりに攻勢に回った。
 物心両面で支えを失った彼等の砦を落すのは、しかしやはり困難ではあった。神官達は最後の抵抗を試み、言語に絶する凄まじい闘いとなった。
 砦の最上部で、それは起った。
 物見の塔の一室で、邪教の神官達が激しく言い争っていた。どちらも身につけている法衣の色や特徴からして、地獄の遣いだと判る。
「何故逃げる! ここが陥落したら我々は……」
「もう敗北は決まった事ではないか!」もう一人の地獄の遣いが、つかまれた腕を振り払う。「このまま無理矢理戦って、犬死にするというのか? 我々は撤退すべきではないのか!」
「貴殿は、この砦を死守せよとの命を忘れたわけではあるまいな? ハーゴン様への忠誠を、貴殿は裏切るというのか!」
 地獄の遣いは鼻先で笑った。
「はっ! 貴殿こそ、一介の神官風情の命令と神の意志を遂行するのとどちらが大事だと? まさか、貴殿の信仰はあの敗北者に向けられているのではあるまいな? 貴殿の忠誠は、地上の者に向けられているのか?」
「貴様、コルテス、ハーゴン様に対する侮辱、許されたものではないぞ……ぐふっ!」
 仮面の下から溢れる、鮮血。炎に煽られ、全てが朱に染まる。崩れ落ちる肉体。
「ああ、何度でも言ってやる。奴は敗北者だ。シドー様の意志を実現させられなかったのだからな。世界は滅びるだと? それが神の意志だと? 奴は失敗したでないか。何故神の意志が真実なら、それを実現できぬ? それは、奴が無能だったからだ。少なくとも、ムーンブルク王女に情けをかけるような甘ちゃんだったからだ! その手を血で汚してきた癖に、たった一つの下らぬ情けで、我々の血の犠牲を、人々の犠牲をも台無しにしてしまったのだ!」
 嘗ての同胞を足蹴にして、コルテスと呼ばれた邪教の神官は忽然と消え失せた。
 ローレシアの砦は三日後に陥落した。
*コメント
 タイトルが思い付かなかったので、とりあえずアップします。すいません。その内考えておきます。
 付けようと思ってたタイトルに関する内容を調べていたら、全然違う話で大勘違いしていたのを知り、ちょっと勉強になりました。民族の叡智は偉大だと思います。タイトルですが、某所のアレとはゼンゼン関係ありません。同時期だったというだけの話ですハイ。
 内容、あんまり言葉を練っていないので、美しさには欠けているかも。どちらかというと諄い言い回しを削る方に力入れる。

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