射命丸あややややややーと愉快な仲間達(主に河童)の温☆泉☆放☆尿レポート 〜尿見たいよ尿〜

 どーもどーも。毎度お馴染み清く正しく美しい、正義のジャーナリスト射命丸文でございます。異論は一切お受け致しません。何故なら射命丸だから。自明の理でございます。
 さて、あれから百年、ロトの勇者とローラ姫の子孫は……え、何、勝手に幻想入りさせるなって。いや実質幻想入りしてるようなもんじゃないですかアレ。寧ろ関係ない。そうですね。全くもってその通りでございます。サーセン。
 え、早く本題に入れって。せっかちな人は禿げますよ高血圧で早死にしますよ……アイタタ、物投げないで下さい解りました。
 と、とにかく。
 一部の皆様は御存じでしょうが、射命丸、切ないことに謹慎を食らってしまいました。皆様の為世間の為、尿と幼女好きの為と死力を尽くした取材だったのですが、射命丸の野望、そう、チルノちゃんのおしーしーをにょんにょんする計画は、すんでの所であのクソワンコロによって断たれてしまったのです。キイィ! 犬っころはガムでも囓ってりゃいいんですよ! ま、ぶん殴られて意識飛ぶ寸前に、チルノちゃんの塩っ辛い風味を微かに味わえただけ僥倖としましょう。そうしましょう。
 でですね、そのお陰で射命丸、しかしチルノちゃんには半径100間(一間=1.82mつまりメートル法換算だと182mですね)には近付くなとのお達しが下りてしまい、チルノちゃんはお山との取り決めで当面の間紅魔館に匿われることになってしまいました。しかもチルノ嬢は悪魔の妹君の相手役を仰せつかり、弾幕ごっこやらガチバトルでぼこられながら、おやつをたんまり戴いている、という話です。
 どう見ても近付けないって事じゃないですかー! ヤダー!
 という訳でチルノちゃんの継続取材は諦めざるを得なくなりました。お仕舞い。
 ……何ですか。お仕舞いで終わりだと思ってたんですか?
 まーっさか!
 この射命丸、チルノちゃんの取材が不可能になったくらいでへこたれめげる程へたれじゃあ御座んせん。妖怪の山最速にして屈指のタフネスを誇る(※鬼除く)射命丸、勿論他にも隠し球は色々持ち合わせております。でなきゃ千年も新聞記者やってられませんて。いやいや、マジで。
 ほら、先日博麗神社の近所に間欠泉が湧いたじゃないですか。アレですよ、アレ。
 あの後私も巫女に協力しまして、地下の騒動に一枚噛んだわけですけども、あれの跡地、温泉設備が完備しまして神社の良い収入源になっているようで、人妖を問わず紳士淑女の社交場になってるんですよ。泉質も悪くないし、腰痛やら何やらに効能が高いと専らの評判です。
 で、ですね。
 温泉といえばアレしかない訳ですよ。
 え、アレって何だ、ですって? 本気で聞いてるんですかそれ? 本気。仕方ないですねぇ。耳かっぽじってよーく聞いて下さいよ。
 温泉とい、え、ば、放尿! 放尿です! それしかないでしょう!
 溢れる豊かなお湯の中で弛緩し、大自然の中で開放的な気持ちになれば、ちょっとくらいお風呂の中で漏らしたって誰も気付きゃあしませんからね! お湯の中に溶け込む少女達のおしーしー、おしっこマニアのロマンとしか言い様がありません。大体お風呂なら裸見放題ですしね。うーん、最高。そのお湯でカップ麺とか作ったらマジでカップ麺五杯イけます。
 ただ問題がありまして。
 観測をどうするか、なんですよねぇ。
 ほら、おしっこって、尿じゃないですか。ああ違う、何当たり前のこと言ってるんでしょう、あたいったら、マジ大ボケ。おしっこは液体です。つまり、湯の中に溶けてしまう。しかも、温泉ですから呼吸が困難です。温泉に潜りっぱというわけにも参りませんし、いかに澄んだ湯であっても湯の中で目を凝らして尿を観察するのも難しいことです。幾ら防水加工が施されているからとて、湯に付けっぱなしで無事で済むのか、とか、そもそも私は件の氷精わいせつ強要事件の為、博麗の巫女には未だに警戒されていて(地下では助けてあげたのに、この恩知らず強欲巫女!)、問題は山積。
 故に、私射命丸は、尿の盟友宅へ相談に向かっているのでありました。

「はぁ、遠隔操作」
「そっすそっす! これをお風呂に沈めてだね、あたしらは妖怪の山の温泉で、こっちのモニタを見ながらまったり一杯やってりゃいいってワケ。こっちのカメラは岩に偽装して予め沈めておけば、まあまず見付からないんじゃないですかねー」
 なるほど。と私は差し出された焙じ茶をずずりと啜りました。うめぇ。
 今こうして相対している尿盟友は河城にとり、河童界隈のおしっこ通といえば彼女、というくらい業界には精通していまして、私もよく生写真を買って貰ったりカメラを防水加工して貰ったりとお互いに持ちつ持たれつの関係にありまして。
 しかし、えらい生き生きしてんな河城河童。
 まあそうですよねー。彼女水の中得意ですし、河童は大体マッドエンジニアの集まりですし、水中放尿と来たら河城の守備範囲ですしねー。
 つー訳で利害一致。やったね。
「あっでもでも、どうやってカメラ仕込むの温泉に」
「あたしは警戒されてないからあたしが行きますよ」河城河童、ニヤニヤしてます。ちぇっいーなーいーなー。いつも巫女とか魔法使いとかあれとかこれとか幼女とかの裸見てんだろうなー。「何時頃決行します?」
「その点はまあ、御覧じろって事で」射命丸秘蔵のメモを胸ポケから取り出して、ペラぺらっと捲ります。「隙間妖怪主導で明明後日に恒例の飲み会をやるらしいですから、その前々日にセッティングして、前日にテストってスケジュールでどうです」
「おk」私は河城河童にGJのポーズを返しました。「じゃ、秘蔵の焼酎持って行きますよ」
「温泉に浸かって飲む酒は最高だよねー、じゃあうちは塩付けキュウリを」
「いらん」
「じゃあ電動キュウリも付けるから」
「それもいらん」

***

「で……結局持ってきたんですかキュウリ」
「いいじゃん、酒のつまみないでしょ」
 ここは博麗神社の温泉……ではなく山の秘湯。天狗や河童などの山の住民のみが利用を許されているのであります。何が素晴らしいって、幻想郷中を一望出来るこの光景ですよ。いやぁ、ホント最高。これに匹敵出来るのはチルノちゃんのピンクのお……ゲフンゲフン。今回はそこは忘れないといけませんよね。ええ。何てったって晩秋の温泉ですから、姉神様が頑張って幻想郷中を紅蓮に染め抜いて下さってるのですから美しくない訳がない。その色の深みたるや処女の経血の如し! 姉神様の経血チュルチュルしたいウフフ。
 そんな中、二人の尿好きは素裸で、河城河童のセッティングした“もにた”とやらを眺めつつ、一献やっている次第なのであります。この“もにた”とやら、何でも風祝が持ち込んだ外の世界の道具の技術を模倣した物らしく、静止画だけでなく動画までリアルタイムに見る事が出来るという、隙間妖怪が持ち込んだ陰陽玉のような便利な代物なんだとか。画面を切り替えることで、水中だけでなく外での放尿も観察可能、見たいところはズームアップも出来る優れものなのだそうです。つまり、あの幼女やこの幼女のおにょんにょんが迸る瞬間もドアップで見られるということです! 流石、河童の技術力は世界一イイイイィー! ですね! 射命丸、河城にチューしちゃう! あ、河城こっちみんなって顔してる。キュウリプレイマニアの癖に自分だけ健全って顔すんなし。
 ま、結局私も塩キュウリをボリボリ囓りつつもにたを見てるわけですけどね。温泉に入って一献傾けつつ、少女達のおにょんにょんを観察する、この世で考え得る史上最高の娯楽じゃないですか! ビバ幻想郷! ビバおしっこ!
「で今日の面子は誰と誰なんです?」
 ここ、大事なことなので試験に出ますからね、ちゃんと確認しておくことにしました。あたいったらマジ抜かりない。
「博麗の巫女と白黒と、スキマ一家はまあ確定ですよね。ボリボリ。それから、アリス」
「ふむふむ」
「そんだけ」
「そんだけぇ〜!? どんだけぇ〜!」
「しょうがないじゃないのさ」河城めウギギ、と歯ぎしりしても、来ない物は来ないのだから仕方ありません。しかし、幼女と呼んでも良い妖怪がスキマんとこの式の式くらいしかいないというのはどうなんでしょう。射命丸、ひっじょーに遺憾です! がっかりした! 心置きなくがっかりした! つるぺた持ってこい! あ、河城が変な目で見てる。
「だったら別に今日じゃなくても良いんだけど?」
「あ、いやいや。幼女以外でもいけますよおしっこ?」河城がもにたをしまいこもうとしたので、射命丸は河城からもにたを取り上げて元の位置に置き直しました。あと塩キュウリも3本目ゲット。ボリボリ。うめぇ。
「文句言いながら結構食べてるじゃんよ」
 河城が恨めしげにキュウリを見遣りましたが、そんなものは全スルーです。私の方がきゅうり食べてることも含め。
「おほっ、来た来た」
 人の気配に目を向けると、主人公二人組のお出ましです。

 霊夢も魔理沙もまだ第二次性徴を迎えてないので、二人ともつるっつるのぺったんぺったんです。霊夢よりは魔理沙の方が若干幼いですかね。体系的にも。
 正確には、若干『ふくらみかけ』ではありますが、まだ抑揚らしきものは抑えられておりまして、幼女スキーとしてはこの危ういバランスがたまらんという方もおります。が、射命丸的にはこの時期だとちょっと女が出過ぎかな、というかとうが立ってると思ったり。内面的にはメッチャガキンちょですけどねこいつら。子供怖いマジ怖い。誰だ矛盾してるって言った奴出てこい。出てこないですよね〜余裕です!
「とうが立ってるってどんだけロリコンだし」
「うぐぅ」
 的確な突っ込みです。まあ別に幼女じゃなくても全然いけますけどね! じゅるり!
 ちょ、霊夢かけ湯もせずに風呂にin! かけ湯ぐらいしろよ物臭巫女! 物臭にもほどがあります。きたねーだろオイ。
 一方魔理沙は床に屈み込み、リラックスした様子で……!
「ちょ、ちょっと射命丸アップアップ!」
「のわっ! 油断も隙もありませんね流石白黒」
 おーっと霧雨魔理沙、いきなり屈み込んで電光石火の放尿だーっ! じょろじょろ、ほの暗い股間から迸る透き通った黄色い液体は床下でぶくぶく泡立って……羞恥心ゼロです! ぶっちゃけ乙女の秘密ゾーンが丸見えです! ちったぁ恥じらえ!
 と思ったら河城、モニタの前に貼り付いて電動キュウリがっつり掴んでます! いきなりかよ!
「魔理沙かわいいよ魔理沙のおしっこかわいいよ、飲みたいよハァハァ……」
 ちょおまっと言いたい気持ちをぐっと堪えつつ、後頭部をぺしり。
「射命丸邪魔すんなし」
「今からそんなハイテンションで飛ばしてどうするんですか。まあ落ち着け河城河童」私は河城の頬によく冷えたキュウリを押し付けました。「せんずりは家に帰ってからにして下さい。取材取材」
「あっそうだった」河城、いそいそとキュウリを仕舞いました。いくら尿盟友だからって河城のオナニーは別に観たくありませんし。「めんごめんご」
 うっわメンゴメンゴって、メッチャ幻想入りしてますね。流石幻想郷。
「ちょっと魔理沙! おしっこくらい済ませてから風呂に入りなさいよ! ギャッ」
 ギャッ、は巫女の叫び声兼、魔理沙の湯飛沫です。白黒魔法使いは放尿を済ますや否や、かけ湯もせずに(重要、ここ試験でます!)お風呂にダイブ致しました! しかも平泳ぎで泳いでます。フリーダムです。髪の毛もそのままです。まとめろし。
「どうせ風呂で流すんだからいいじゃないか」
「だったら外で流しなさいよ!」
「霊夢だって流してないぜ」
 霊夢、言い負かされました。ぷーと膨れてます。魔理沙、悠々と霊夢の前を泳ぎながら勝利宣言です。湯の中から時折ぷっくり盛り上がるお尻が、存外ラブリーです。ピンクだし。
「いい湯だなっアハハン♪」
 勝ち誇る魔理沙は泳ぎにも飽いて、霊夢の隣に体育座りです。何だかんだで霊夢大好きっ子ですからね、魔理沙。しっかり真横をキープしております。霊夢はというと、同じく体育座りではあるのですがもっとだらんと、程良い脱力加減でお風呂を楽しんでおります。
「もっとゆっくり浸かってなさいよ。騒々しい」
「はいはい、だぜ」
 はぁ、と霊夢は小さく溜め息を付いて肩を落とし、目を瞑りました。すると、モニタの一部が霊夢の方にズームします。
「おおお? おおおおお!」
 霊夢の足と足の隙間から、ゆるゆると何やら黄色い液体が質量を伴って広がって行くではありませんか! それは足にまとわりつき、そしてやがて湯の中へと拡散し、拡がり切って見えなくなって行きます。
 尿の余韻が全て湯の中に溶け消えた頃には、射命丸、すっかり女の部分がうるうるしておりました。
「人の事言えないじゃん……」
 河城の一言に我に返ると、あらやだ射命丸ワレメに指をくにゅくにゅしてました!
「いやん☆」
「きめぇ」
 アホな遣り取りをしている内に、二人はさっさと温泉から出て行ってしまいました。あー残念。

 そろそろ二合目の銚子がデビューなさる頃合い、湯煙を掻き分けて入って参りましたのは八雲藍と橙の八雲式神コンビで御座いました。確か猫の方は水が苦手と聞いているのですが、今は大丈夫なのでしょうか。それとも温泉であれば行けるのか、式神についての謎は尽きませ……ぃ、イヤァアアアァ!
「どうした射命丸」
「だ、だ、だって、ないわーないわー!」
 射命丸、怖ろしいものを見てしまいました! アレはない!
 あの猫、どう見ても幼女体型なのに、生えてるんですよ! 有り得ない! モッサモサじゃん!
 え、何がって? 試験に出ますよ! だから耳かっぽじって聞きなさい。アレです、アレ。
 い・ん・も・う!
「は?」河城河童が何か変なものでも食べたの的な顔で私を見上げました。「あんたさ、見た目幼女だけどアレ、猫又だよ? 普通に20年余裕で生きてるおばあちゃんでしょ。生えててもおかしくなくない? 大体猫だし子供だってぼっこぼこ産んでるって!」
 ぼこぼこ産んでるですと! ないわー! ロリババア。ロリビッチ。うへぇ。
「あんたの大好きなチルノちゃんだって何年生きてるかと……」
「わー! だめ! だめ! それ以上ストップ!」
 処女厨め、とかどうせ河城河童の陰毛は青、ですよ〜だとか何とか呟く河城を尻目に、私は記事に集中すべくペンを取るのでした。
 それにしても、傾国の美女とは良く言ったものです。
 八雲藍が件の白面金毛九尾その人か否かについては知りませんが、スレンダーながらに女の色香をふんだんに振りまくその体の美しさと言ったら、同性ながらに嫉妬を覚えてしまいます。パルパル。正直ちょっと痩せ杉かなと思わなくもないですが、寧ろそれが退廃的な美を作り出していると言えます。おっぱいだって小ぶりだけど上をつんと向いていて、慎ましくも瑞々しさに溢れておりますし、ふさふさと豊かな金色の陰毛の柔らかそうな事といい、ピンク色に等間隔で並んでいる乳首……等間隔で……!
 複乳!
 複乳!
 複乳ですと!
 流石はケモノ。良い乳首です。もしアレが白面金毛九尾その人なら、あの乳首は紂王や班足太子や幽王や鳥羽上皇にちゅっちゅされたのでしょうか。妄想が止まりません……!
「足の筋肉とか、素晴らしいよねぇ。ねえ射命丸……しゃめ……ふ、複乳……?!」
「あのおっぱいちゅっちゅしたい……ウヘヘ……」
「射命丸って相当なマニアだよねぇ……」
 いやいや、あんたに言われたくありませんからおしっこ厨。と思いつつも私もおしっこ厨なので何も言い返せないのでした。
 そんな下らない事を言い合っている内に、八雲式組はお互いにかけ湯をしあっておりまして、黒髪金髪と尻尾さえなければ血の繋がった親子のようでありました。ほのぼの。白面金毛九尾の方が己のふさふさの尻尾に湯をかけている合間に、しかし、黒猫式は急に何かを思い立ったかのようにたたたっと草むらへと駆け込んでいきました。
「えっ。何、何」
「河城、ズーム! ズームです!」
 画面をズームすると橙が草むらに屈み込込んでいるところでした。
「おおっ……? まさか……」
「来ますよ、これは来ますよ!」
 我々は昂奮気味にもにたを覗き込みました。 我々の位置からは繁みの合間の橙のお股が丸見えです。つるつるじゃないので微妙な部分は残念ながら草の中。
 ですが、ですがですよ。
 それでも、その繁みを分け入って、最初は遠慮がちに、やがて勢いよく迸るアレは、アレは、間違いなく幼女のおにょんにょんでありました! 魔理沙のそれは若干角度斜めでしたが、橙のはド正面です。魔理沙はつるつるでバッチリでしたけど暗かったですしね。どちらにもそれぞれの良さがあります。実に奥深い。
「ギャー、尻尾邪魔邪魔!」
 が、しかし、にょーにょー鑑賞タイムは八雲藍のふさふさ尻尾にて中断の憂き目をみました。白面金毛九尾は急いで駆け寄ると、橙を脇から抱えて叱ります。式の式は叱られて涙目です。足の裏についた泥が橙の太ももを伝う尿で若干流れ落ち、指から陰毛から、はたまた叢から、尿の雫がぽたぽたと垂れています。
 式の式は反抗的な目つきで九尾を睨め付けましたが、それも濡れ尻尾で顔をぴしゃりとやられてはたまりません。頭に湯桶を被せられ、式の式はいそいそとかけ湯をし直すのでした。
「あーもったいないなーあのおしっこの雫チュルチュルしたかったなー」
 河城がもうもにたには興味ない、とばかりに反っくり返ってキュウリをボリボリ囓りだしました。八雲藍が橙を風呂に入れてよりずっと、こちらに背中を向けており濡れ尻尾が画面の殆どを塞いでしまったので、我々としてはお手上げでした。
「うーん、思わぬところで改善の余地ができちゃったなぁ。ま、次回以降の課題だね」
「しょうがないですよ」私は河城のおちょこに残りの酒を注ぐと、早く九尾どっかに行かないかな、と思いながら3本目の銚子を摘み上げたのでした。

 式共は存外早く風呂を出て行きました。やはり紙であるからして、あまり長く浸かっていられないのかもしれません。せいせいした、と二人してちびちび酒精を啜っておりますと、入れ違いに暖簾を潜る人影現れ、二人は依然背筋を伸ばしてもにたににじり寄りました。誰も居ないのを用心深く確認して出てくる辺りや、前をしっかりガードしているところが実に初々しい。何処ぞの白黒や紅白とは大違い、乙女の鑑です。
「なーんかさー、誰も居ないのに一生懸命ガードしちゃって、ちょっとしこってるよね」
「何そのしこってるって。放尿しといて湯もかけずに飛び込む白黒魔法使いよりよっぽど乙女でしょ」
 さて、その初々しい少女は誰あろう、アリス・マーガトロイドでありました。
 魔界の創造神の娘とも噂される七色の魔女の裸体を見たのは、実は私これが初めてでした。なるほど、そんな噂が流れるのもむべなるかな。すらりとした格好の良い肢体、雪花石膏(アラバスター)の如き肌、肩口で緩やかにカーブを描きながら踊る金の髪、慎ましやかに谷間を覆う金の柔毛、小ぶりながら形の良い乳房といい、どれもこれもが魔界の神の権能と美とを悉く体現していると言っても過言ではありません。何処か彼岸を思い起こさせる、この世のものならぬ美しさとでも申しましょうか。生きていながら生命観を微塵も感じさせない、人形の如き冷たき美しさ。それが、アリス・マーガトロイドを一言で現すならば最も相応しいと私には思えました。
 でも相方はそういう高尚な美しさってあんま好きじゃないみたいで、アリスしこっとるしこっとると頻りにブチブチ文句言いながらキュウリガシガシ。まあ私は魔理沙みたいなおげふぃんな娘はあんま好みじゃないんで人それぞれですかね。寧ろ魔理沙に関してだけ言えば最速とか偉そうですしおすし。
 そのうちアリスは前を隠しているタオルを横に除け、桶を片手に何度も何度も湯を被りだしました。
「……何かおかしいね」
「うん」
 いや、何度も何度もお湯被り過ぎなんですよ。おかしいですよね。河城がもにたのズームをアリスに近付けますとあら不思議! 流れていくかけ湯の隙間から、途切れ途切れに液体が零れています。普通なかなか目視は難しいのですが、そこはそれ、尿マニア河城の技術の結晶、尿センサが激しく反応しっぱなし。流れるお湯に混じる尿がうっすら、映し出されているじゃあありませんか! 何という乙女らしい恥じらいでしょう! それにしても、あの完璧すぎる肢体から耐えきれずに溢れるおしっこ! これぞギャップ萌えですね! ああでも出来れば足を開かせてじょーって零してるところを見たいのですが、それは望むべくも無いですね。だってそんな事したら彼女の事ですから恥ずかしさのあまりに死んじゃいますよねウフフ。射命丸のバカ、バカ、やめてぇっ! さ、撮影なんてしたら殺してやる……! しかし沢山お茶を飲まされたアリスはお腹を押され、我慢できずにおしっこを迸らせてしまうのです。そして写真をばらまかれたくないがために更なる痴態を強要されるアリス……。やべっこの妄想だけで官能小説一本書けちゃいますね! 夜伽話に投稿しちゃおうかしらん。
 とか言ってる間に残念ながらアリスのおしっこは終わっちゃったみたいですけど。まあこれで完璧ツンツンアリスの弱点を握ったという事でウフフ。射命丸大満足。やっぱりエロスのロマンはチラリズムにあり、ですよ! え、矛盾してるって? ンな事気にしてるとろくな死に方しませんよ!
 アリスは念入りに体を洗った後、相変わらず体をタオルでガードしたまま湯船に足だけ浸かってそわそわ、妙に落ち着かない様子です。
「何か変だねぇ」河城が四合目の銚子に手を伸ばしながら呟きました。
「何か変だったんですか」
「いやねぇ、何か一瞬目が合ったような気がしてどきっとしたんだよね」
「何いってんですか、肉眼で見てるワケじゃあるまいし」
「まあそうなんだけどね〜何か目が合うと落ち着かないじゃない?」
「気にしすぎですよ」私は盟友の肩を軽く押してやりました。「おしっこアリスなんて滅多に見られないもん見れたんだし」
「うん! アレはレアだった!」河城は途端に目を輝かせました。すっかり出来上がってるみたいですね。
「アリスのおしっこ、これだけで記事三本余裕で書けますよ私」
「愛蔵版にするわそれ」
 私達が盛り上がっている内に、アリスはさっと肩まで浸かってさっさと出て行ってしまいました。

 いいかげん私達もいい感じに酔っぱらっておりまして、既に用意した酒瓶も半分以上空。キュウリも枝豆もほとんどなくなってしまいました。少し上せてきましたので湯から出て体を冷やしておりましたが、しばらくしても誰も入ってくる様子がありません。
 そろそろお開きかねぇ、などと二人で話しておりますと、暖簾の奥より人影、否妖の影が浮かび上がり、私達は息を飲みました。
 本日のトリ、八雲紫の登場でございます。
「流石だねぇ、綺麗だねぇ」
 河城河童が見とれて、思わず溜息を漏らしました。
 すらりとした肢体。しかしアリスや式とは違いもっとグラマラスな女の体です。しかし完成された女の美というにはまだ何処か危うさを残した、少女と女の境界に絶妙なバランスで留まっていると言えましょう。帽子は取り、長い髪を器用にまとめて、足取りも優雅に湯桶を手にしております。ええい、パルパルシィ!
「いいよねぇ大人の女」
「どこが。どう見てもババァじゃないですか」聞こえなければ何を言ってもいいんです。大切な事なので二度言います。若作りババァ。ザマァ。
 そんな私の悪口など知ったこっちゃないと湯浴みをして後、八雲紫は湯船にゆるりと身を沈め、カメラの真正面に陣取りました。
「わ、やっぱり大きいおっぱいだよ。形も綺麗だし」
「たれ乳ババァじゃないですかあんなの」
「たれ乳ったって、守矢の巫女より全然小っちゃいじゃないのさ」
 守矢の現人神曰く、顕界の女の乳は乳牛の様なのがそこらにいるそうで、彼女でさえそんなに大きい方ではないのだそうでございます。それでも幻想郷で守矢の現人神ほど胸の大きな女はまずおりません。
「も、守矢の巫女はおっきくてもいいんです!」
「何だそりゃ」
 まあいいんですけどね。ひょっとしたら画面に映ってないだけで嫉妬妖怪が地上に出てきているんでしょうかねえ。橋姫マジウザイ。死ねばいいのに〜♪
「それより、さっきから落ち着かないですよねちょっと」
「ねー、解るでしょ。時々目線が合うのが何かね」
 そうなのです。目の前に、隙間妖怪がいるのです。
 向こうはこちらを見ていないのですが、時々首をコキコキやっている時に偶さか目線が合って、にこっとこちらに笑いかけらたような気がしまして。隙間妖怪の事ですから見えてても全くこれっぽっちも問題ないような感じがまた相乗効果でキモが冷え冷えするのですよ! キュン! もっとも、肝腎の隙間妖怪は優雅に湯を愉しむと、首をさすりながらお湯から上がってしまいました。
 もう、誰も来ないでしょう。
「そろそろ、お開きですかねぇ」
「だいぶ飲みましたしねぇ」
 二人は顔を合わせました。お互いいいピンク色です。頭ン中はもっと汚ピンクです☆
「私達、ほんっと、だらしないかっこですよね〜」
「誰にも見られてませんしね〜」
 漏らしちゃおうか。
 私達は頷き合いました。
 二人して足をがばっと広げます。誰にも見られていないと言うのは何という開放感なのでしょう。
 私達はいいかげん膀胱に貯まったおしっこを、ほぼ同時に湯の中に解き放ちました。尿は温かい物と相場が決まっているように思い込みがちですが、解き放たれたぬるま湯は体温より温かい湯に溶けて、胎内の冷えを感じさせてくれるのでした。じょわり、じょわりと黄色な液体が湯の中に広がって行きます。私達は膀胱に貯まった冷えを解き放つ愉悦を、至高の快楽と共に味わいました。
 いやぁ、最後は自分ので締めるのっていいですね!
 お茶漬けみたいな事言ってるし。そういう河城河童もまんざらではないようでした。
 湯の中に黄色い液体が広がりきって、薄れていく様を惜しみながら、私達は晩秋の湯を楽しみ……。
「あややっ?」
「どしたんアヤーヤヤーヤー Hunting is going on we are a part of the wilderness♪」
「誰がヨンネ・ヤルヴェラですかこのヒッタヴァイネン。そんな事はどうでも宜しい。これを見て下さい!」
 私が指差した先には河城製作のもにたが、もにたには、誰も居ない筈の温泉で、足をがばっと広げて放尿する二人の少女が……。しかもびらびら見えまくりです! 通常ならモザイク掛かっちゃいます!
「ってあのおしっこに揺らぐ青い陰毛といい、どう見ても私達じゃないですかー! ヤダー!」
「え、え、どゆことっすか?」
 状況を把握していない河城と訳が解らずうろたえる私達の頭上で、どっと爆笑が響き渡りました。
「この変態天狗! 氷精の次は温泉か!」
「やーい、おもらし、おもらし河童〜!」
「皆が使う風呂場でおしっこなんて、不潔だわ」
「私の温泉なんだからもっと綺麗に使ってよねっ、もうっ」
 どの口で言う、という連中も含めて口々に迫って来ます。いや、あんた達に言われる筋合いないですから! って言いたいところですが、現場を押さえられてるのはいかんともしがたいところです。
 ってか、ここどこ?
「人の風呂を覗き見するなんて良い趣味じゃないですわね」
 頭上には、浴衣に身を包んだ博麗神社の面々がずらり、私達を取り囲んでいるのでした。ってか、ここ既に妖怪の山じゃなくなってました! オ・ワ・タ!
「あ、そうそう、これ没収ね。お互いの為にも」
 そういう八雲紫の手には、件のもにたがしかと握られておりました。八雲紫は隙間にもにたを放り込むと、半ばやけくそでへたれ笑いを漏らす私の手から素早く取材手帳をむしり取ったのでした。
 あの艶っぽい、全てを見透かした笑み。
 あの顔が忘れられなくて、射命丸、放尿見られてる! 見ちゃらめぇビクンビクン! という妄想で3回もキュウリせんずりしたのは内緒です。ああ、射命丸、ドMに目覚めそうです……。
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